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会社が負担した外部研修などの費用を、その社員が退職することを理由に返還させることは可能か?   2015.06.05

研修費用(資格取得費用や、留学などの費用)を会社が負担した社員が、業績などで会社に貢献する前に自己都合で退職した場合、会社側としてはその費用を返還してほしいところです。この返還請求の法的な正当性は、研修費用の定義によって異なります。

 

(1)「研修など受講後○年以内に辞めた場合は返還せよ」は違法

この場合は労働基準法における強制労働に該当するというのが一般的な見解です。この定義によると、定められた期間は自由に辞めにくいため、結果的には強制労働を強いているに等しいということになってしまうわけです。

 

 

(2)・研修への参加は自由意志(不参加を不利益取り扱いしない)

・研修費用は本人の希望に基づき受講費用を貸し付ける制度がある

・研修終了後、一定期間勤務によって返済を免除(あるいは返済額相当を給与に上乗せ)

とした場合は概ね合法

 

この場合、当事者の自由な意思により「研修費用の貸し借りをした」に過ぎないため、不当に社員を拘束するものではないとされます。

 ポイントは、「研修への参加並びに受講費用の借受けに自由意思があること」です。

 

研修費用の貸付についてはきちんと契約書を取り交わすなどの書類整備も必要でしょう。「参加自由の研修について本人が希望して受講した」「研修費用を貸し付ける社内制度があるが、それを借りるかどうかは本人の自由」という仕組みであることがわかるような書類の整備を専門家に意見を聞きながら進めてください。

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