労務コラム

パートタイマーが働きを制限される根拠   2016.11.13

多様な働き方が認められる現在において、正社員以外にもパートタイマーとして活躍する人もたくさんいます。しかし、公的ルールによって働きが制限されることがあります。それは、「収入が少ないことを根拠に税金や健康保険・年金上の優遇を受けられる」ことに起因します。

 

優遇措置1:税法上の扶養

まず税法上の扶養という措置が挙げられます。これは所得税に関する基準で、基礎控除38万円、給与所得控除65万円、この2つを合わせると103万円になり、この103万円の枠内でパートタイマーが収入を調整すれば、配偶者などに「税法上扶養されている」とみなされることになります。

税法上の扶養であれば、配偶者側が扶養控除を受けることができ、当人は所得税が非課税となります。

 

優遇措置2:健康保険上の扶養

次に健康保険上の扶養という措置です。一般に「130万円の壁」と表現されますが、これは「年収が130万円以下であれば配偶者が加入している健康保険の被扶養者になれること」を指します。健康保険上の被扶養者となれば、当人の健康保険料は扶養者が加入して居る健康保険の保険料によってまかなわれるためかかりません。※国民健康保険など、被扶養者概念がない制度もあります。

 

優遇措置3:国民年金の3号被保険者

健康保険上の扶養と同じ収入要件で、厚生年金保険の被保険者の被扶養配偶者は国民年金の3号被保険者となることができます。これは、「国民年金保険料を当人が納付しなくても、保険料をかけたことにしてもらえる」という優遇を言います。

 

これらの仕組みから、パートタイマーの方は自らの収入を調整しなければならず、有能なパートタイマーの活躍が制限されているとも言えます。この被扶養者基準について法改正の議論もなされています。

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