代表やなばらのブログ

2014年11月

【テクニックが先か、卵が先か】   2014.11.27

少しナイーブで自己陶酔的な文章をお送りします。

 

やなばら事務所では、僕を含めた各職員が月イチで社内プレゼンをします。

 

テーマは労働関係法の法改正や、労務に関するもの。


労働紛争の判例を取り上げたり、クライアントからご相談頂いたことを研究したりしています。

この目的は

 

・知識の共有


・プレゼン力強化


・社員教育

 

です。

僕は人前で喋ることにも法律を解説することにも

比較的慣れているのですが、職員は慣れていないので、

場数を踏ませる意味で考えた文化です。


まだ始めて3ヶ月ですが、徐々に習慣化されています。

 

ナイーブなのはここから。

先日の職員のプレゼンのフィードバックとして、

「プレゼンターの動きがないから感情が伝わらない。

もっと身振り手振りと表情を駆使したほうがいい。

例えば胸の高さよりも高く手を上げる仕草は、聴衆に印象を残しやすい。」

 

こう伝えました。

 

こういうと職員は感心したように頷くわけですが、

結局「手を胸の高さよりも高く上げる」なんてのはテクニックであって、

「一生懸命何かえを伝えようとする」動機に言及していないことに後で気づきます。

 

違う違う、テクニックを教えてどうする?

大事なのは聞いてくれる相手のために一生懸命伝えようとする姿勢だろうが。

 

覚束なくてもたどたどしくてもパワーポイントが稚拙でも、

相手への貢献を明確に決めて、

一生懸命伝えようとすれば伝わる。

 

テクニックやノウハウにいたずらに誘導してはいまいか、と

心配になりました。自戒しよう。

 

そもそも、僕は何かを一生懸命伝えたがっているのだろうか・・・?

 

 

【ライムライトとノミのサーカス】   2014.11.21

ノミのサーカスをご存知でしょうか。

 

ノミをガラスケースに入れてぴょんぴょん飛び跳ねさせておくと、

ガラスにぶつかることで行動範囲を学習し、

ガラスケースを取った後もガラスケースがあった範囲内でしか飛び跳ねなくなるそうです。

 

ノミのサーカスはこうして調教されたノミを使って行われる曲芸だということ。

 

チャップリンの「ライムライト」という映画で、

主人公が演じていたのがノミのサーカスのパントマイムをする道化師でした。

 

で、このノミのサーカス、「押さえ付ける教育」を批判するときの例えとして使われるそうです。

「ガラスケースに閉じ込めて調教すると、ノミだって人間だって縮こまってしまう」という。

 

こういうの、少し自覚あります。
僕もやってしまっているように思います。

部下には育って欲しいが、コントロール下に置いておきたい。
僕はボスでいたいのだと思います。

 

でもいつかはガラスケースを取らなくては。

僕はノミの曲芸を見せたいわけではないのだから。

 

チャップリンがライムライトで主人公に語らせたように、

「親切にされると一層孤独を感じる」ものだと思います。

 

 

人事考課からバイアスを完全に排除したら理想なのか?   2014.11.08

こんにちは、柳原です。

 

遅まきながら、話題になっている「経営戦略全史」を読みました。

 

テイラーの時代からポーター、ドラッカー、コトラー、現代にいたるまでの

経営戦略の歩みを時系列にまとめた本で、ビジネス書大賞に選ばれたらしい本です。

 

個別の戦略理論を深堀りするにはもちろん向いていませんが、

文字通り古今の経営戦略を俯瞰で眺める上で楽しく読めました。

 

社労士試験の合格発表が最近ありましたが、

「テイラーの科学的管理法」や「マズローの欲求5段階説」は「一般常識」分野でかじっています。

試験に合格する上ではまったく重視していなかったこれらの理論のほうが実は面白いんですよね。

 

で、テイラーの話。

細かい解説は他の賢い方にお譲りするとして、

要は作業時間を測ったり、仕事の動作を観察しまくって作業の標準化と効率化を進めたものだと認識しています。

 

人事考課を考えるときもこの「観察」による客観的指標づくりが大事になってきます。

職務給の考え方によると、10分で1コの作業をするよりも、10分で3コの作業をするほうが優れていて、

人事考課上加点すべきということになります。

だって客観的なんだもん。

 

・・・ところが、この客観性至上主義がまた曲者で、

社長や上司の「なんとなくの好き嫌い」バイアスによる人事考課があながち悪とも言えない。

そういう場面によく出くわします。

 

「社長の俺が目で従業員の様子を見て、鉛筆なめながら給与決めるんだ」と言っている会社で、

全くもって従業員が機嫌よく働いていて、業績のよい会社もある。

他方、数百万円もする人事評価制度を作っていながら、

学者が考えそうな細かなチャートや評価項目がほとんど用をなさず、

実効性のないということもある。実際ありますよね。

 

好き嫌いもヒトから出た感情。親鸞さんのように、そのバイアスすら肯定して

ヒトというものをとらえなければならないように思っています。

科学的に観察し、感情的に意見を言い、大局的に見て決める。

人事考課の有用性を高めるためにはこんな姿勢が合っているように思います。

 

 

ちなみにバイアスまみれを自認する僕は

 

「まったく違う考え方をする、頭のキレる人」

 

に相談することに決めています。

 

いつもありがとうございます。

 

 

 

 

 

三村さんのラジオトークからアドラー心理学を考察する   2014.11.05

さまぁ~ず三村さんがとあるラジオでバナナマンさんと話されていた内容をご紹介します。


(お笑い界で「ダウンタウンファミリー」や「内Pファミリー」「たけし軍団」など色々な集団があるという話題のなかで)


「でも俺は、売れてない奴を『引っ張り上げて仲間に入れてやる』という表現に違和感があるんだよね。

自力で這い上がってきた奴と一緒にいい番組を作ろう、とかならわかるんだけど。

実力を超えた環境に出来てない奴を置いてやったところでそいつは活躍できないし、

むしろそいつの芽を摘むことにもなりかねない。

野球で言うと、バッターボックスに入る前に素振りくらいしてこいと思うんだよね。」


なるほど。

 


アドラー博士は繰り返し「課題の分離」を説いたと言います。


ある困難があるとして、それを克服しないことの最終的なデメリットを引き受けるのは

誰かを考えなければならないとのこと。

つまり、自分の課題と他者の課題をちゃんと分けて考えなさいというふうに解釈しています。

 

三村さんの発言からアドラー博士のことを連想しました。


部下が伸びない、やる気をみせないと悩んでいる上司のみなさん、

その悩み、実はしなくてもいいことかもしれませんよ。

 


「引っ張り上げてもらうことを待っている」その部下は、まだ上に登ってくるべき人ではないのかもしれません。

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