労務コラム

社内恋愛を禁止する正当性   2017.12.20

会社として、社員同士の恋愛を禁止としたい場合があります。社内恋愛によるデメリットとしては以下のようなものが挙げられます。

 

・付き合っていることでイチャイチャして周りの社員が不快に思う

・スタッフ同士の交流に公平性がなくなる

・痴話喧嘩が元で会社の運営に支障をきたす

・別れる時に片方または両方が退職する

・お客様が不快に思う

 

特に退職は重要な問題で、企業が多くの投資をして雇った社員が退職してしまうのは痛手です。会社は社内恋愛の禁止をすることができるでしょうか。

原則としては恋愛禁止はダメ
本来、恋愛は個人の自由で行われる私生活上のものであり、会社が過度に干渉することは許されません。個人間の恋愛は禁止したからといって抑止できるものではありません。


企業秩序の維持のために懲戒が認められることもある

ただし、社内恋愛行為が結果として会社に迷惑をかけていることが明らかであれば、何らかのペナルティーを与えることは可能でしょう。たとえば女性が接客をするサービス業においては、社内恋愛は女性の商品価値を貶めるかもしれません。また、社内恋愛関係にある二人がお互いを明らかにえこひいきして営業成績をよくするなどの行為も秩序を乱していると言えそうです。
社内恋愛による悪影響が客観的に見て相当重大である場合や、会社の信用を著しく失墜させた場合であれば、懲戒や配置転換も可能でしょう。

ただ、社内恋愛をしたから減給するとか、配置転換をするというのは、「よっぽどの悪影響がある」場合に限られます。その悪影響を立証することができない場合は、懲戒が不当となります。

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