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2014年10月

解雇が無効になった場合の金銭支払いについて   2014.10.22

会社が従業員を解雇したあとで、辞めさせられた従業員が「解雇は納得がいかない」と主張し、裁判所等に訴え出るケースがあります。

その場合、解雇が有効か無効かを争う事になりますが、裁判で負けて解雇が無効になってしまった場合、会社は思いもよらない金銭を支払うことになってしまいます。どのような金銭を支払う必要が出てくるのでしょうか。 

 

1、係争期間中の給与

解雇無効になった場合、争っている期間中の給与を支払わなければなりません。これは、「雇用関係がまだ続いている」と判断されるためです。この給与には基本給のほか、住宅手当等の諸手当も含まれます。

ただし、必ずしも給与の全額を支払う必要はありません。この期間については「事業主の都合で休んでいる休業期間」とみなされるため、最低でも平均賃金の6割以上を支払えば良いとされています(就業規則で全額それ以上の賃金を払うと規定されている場合は、就業規則で定めてある金額を支払う必要があります)。

いずれにせよ「辞めたはずの社員」の給与を支払うことになることには変わりがありません。

 

2、係争期間中の社会保険料

また、社会保険料や労働保険料の負担も生じてきます。係争期間が長引いた場合、社会保険料などにかかる延滞金も余分に負担する可能性が出ます。

 

3、訴訟にかかる費用

労働問題が裁判になってしまった場合、弁護士報酬などの裁判費用もかかってきます。また、裁判が長引くほど、通常業務に支障を来す「時間的ロスというコスト」も見過ごせません。

 

そもそも日本では解雇に対するハードルはかなり高いものです。従業員に辞めてもらいたい場合でも、すぐに解雇と考えるのではなく、まずは自主退職を進めてみる等、より慎重に進めてください。

 

 

 

割増賃金の計算の仕方   2014.10.22

割増賃金の原則:

従業員に残業をさせた場合や、休日に働かせた場合には、会社は通常の賃金を割増して支払わなければなりません。割増して支払うべき賃金は、残業等をした労働者の時給単価に割増率を掛けて計算します。この割増率には、3つあります。

 

①    法定時間外労働の場合、25%以上

②    休日労働の場合、35%以上

③    深夜労働(22時~5時)の場合、25%以上

 

会社は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。(この労働時間上限を「法定労働時間」といいます。)例えば、始業9時、終業18時(休憩1時間)で時給1000円の人が19時まで働いた場合、「法定労働時間を1時間超えて」労働をしたことになりますので、その1時間分について①の法定時間外労働に対する割増賃金を支払う必要があります。

前述の例の場合、時給1000円の25%以上増しになりますので、18時から19時までの1時間の労働に対して、1250円以上の時給を支払わなければなりません。

これが「法定休日=原則毎週1日の休日に働かせた場合」には②の割増率になり、労働が深夜(午後10時から午前5時前)に及んだ場合は③の割増率をかけることになります。

 

月給者などに対する割増賃金の計算方法:

月給者・日給者に対しては、時給単価に換算して割増率をかけます。

・日給制の場合…日給額を1日の所定労働時間で割った金額を出します。

・月給制の場合…「基本給+諸手当」を1か月あたりの平均所定労働時間で割った金額を出します。

月給制で、通勤手当や家族手当、住宅手当等を支給している場合には、原則として時給単価の計算に入れる必要はありません。これらは個人的な事情に基づいて支払われ、労働に対して直接的に支払われる手当だと考えられていないためです。ただし、家族手当だとしても、家族数等に関係なく全員同じ金額で支払われている場合には、その金額も時給単価計算に含めなければなりません。

 

割増賃金の計算の間違いは、のちに大きな賃金トラブルに発展することがあります。正しい計算方法であるかよく注意してください。

 

 

欠勤日の有給振替について   2014.10.15

従業員が欠勤した後に、「欠勤日を年次有給休暇として振り替えてください」と言ってきた場合、会社は応じる義務はあるのでしょうか。

 

・応じる義務は無い

年次有給休暇は、従業員から事前に有給取得の請求された場合は、会社はその請求を拒否することはできません。しかし、欠勤後にその欠勤日を有給扱いとして振替える義務はありません。法律上にもそのような義務規定はなく、欠勤分の賃金を給与から引いてもなんら問題ありません。

 

ただ、有給振替の義務がないからといって、振替してはならないわけではありません。従業員から申請があった場合、欠勤した理由によっては、有給振替を認めてあげても良いと思います。このような場合、就業規則上に、以下の規定を設けておくことをお勧めします。

 

第○○条(年次有給休暇の届出)

1 年次有給休暇を請求しようとする者は、前日までに所属長に届出なければならない。ただし、事業の正常な運営を妨げるときは、他の時季に変更することがある。

 

2 病気その他やむを得ない事情により欠勤した場合で、本人から速やかに申出があり、会社が正当な事由による欠勤と認めた場合は、当該欠勤日を年次有給休暇に振り替えることができる。この場合、会社は病気等により欠勤した者から医師の診断証明書または医療機関で受け取ったレシート等の提出を求めることができる。

 

従業員からすれば、自分の有給取得日数が残っていた場合、それを使用して欠勤による給与の減額を防ぎたいのが心情だと思います。そのような場合、申し出を頭ごなしに拒否するのではなく、事情によっては認めてあげることで、従業員の不平・不満が起きにくい会社作りをしていきましょう。

就業時間中の私用メールについて   2014.10.07

仕事中の私用メールについて

私用メールのやり取りをしている場合、下記のような問題が起こることが予想されます。

・不正に私的利用するため、ウイルス感染のリスクがある。

・個人情報や会社情報の漏えいの恐れがある。

・勤務時間を業務以外に使うことにより生産性が落ちる

・さぼりが横行し、労務管理上の士気が落ちる。

 

これらを予防するために有効な手段を2つほどご紹介します。

 

1、社内メールのモニタリング

監視(モニタリング)することは、裁判例でも合法とされています。ただし、就業規則等の社内規定に定める必要がありますし(定め方は下記2参照)、監視行為が無制限に許されるわけではありません。監視する立場でない者や、監視の目的が興味本位で必要以上の閲覧をすれば、プライバシーの侵害にあたると解されています。

 

2、就業規則に定める

トラブルの防止策としては、就業規則に次のような文言を定めておくと良いでしょう。

「就業時間中の私用メールは全面禁止とする」

「私用メールは業務に差支えない程度で節度をもって行う」

「メールの利用状況は、会社が閲覧することができる」 

また、就業規則に定めておくだけではなく、しっかりと従業員にこれらのルールがあることを周知することが重要です。 

 

従業員が私用メールを送ることは、単に仕事をさぼっている事だけでは収まらず、会社の情報漏洩など、大きな損害につながる恐れがあります。就業時間中に私的なことに時間を使う従業員が多いようであれば、トラブルが起こる前にメール使用についてのルールを作りましょう。

 

最低賃金について   2014.10.01

・最低賃金は毎年変わる

使用者が労働者に対して最低賃金額未満の賃金を支払った場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。この最低賃金額は毎年10月頃に改定され、労働者全てに対して適用されます。

 

・最低賃金の算出方法

最低賃金額は時給の額ですので、月給者も日給者も時給に換算します。

1、月給制の場合⇒月給÷1か月の所定労働時間

2、日給制の場合⇒日給÷1日の所定労働時間

 

・最低賃金の計算に含まれないもの

下記のように支払っている賃金は、最低賃金の計算から除外されます。

つまり、下記の賃金を支給金額から除いて計算した時給額が、最低賃金額を上回ってなければなりません。

 

1、臨時に支払われる賃金(結婚手当など)

2、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)

3、時間外、休日・深夜労働の割増賃金

4、精皆勤手当、通勤手当および家族手当

 

・H26年度地域別最低賃金は下記の通りです。

( ) 内はH25年度の地域別最低賃金、記載の年月日は発行年月日です。

 

千葉…798円 (777) 平成26年10月1日

東京 …888円(869) 平成26年10月1日

神奈川…887円 (868) 平成26年10月1日

京都…789円(773) 平成26年10月22日

大阪…838円(819) 平成26年10月5日

兵庫…776円(761) 平成26年10月1日

奈良…724円(710) 平成26年10月3日

福岡…727円(712) 平成26年10月5日

 

上記以外の都道府県の最低賃金額については、厚生労働省のHPをご覧ください。

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/

 

最低賃金法では、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合に罰則(50万円以下の罰金)が定められています。昨年度の最低賃金額ぎりぎりで賃金額を設定している場合は、賃金額の変更が必要不可欠となりますのでご注意ください。

 

 

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