労務コラム

欠勤日の有給振替について   2014.10.15

従業員が欠勤した後に、「欠勤日を年次有給休暇として振り替えてください」と言ってきた場合、会社は応じる義務はあるのでしょうか。

 

・応じる義務は無い

年次有給休暇は、従業員から事前に有給取得の請求された場合は、会社はその請求を拒否することはできません。しかし、欠勤後にその欠勤日を有給扱いとして振替える義務はありません。法律上にもそのような義務規定はなく、欠勤分の賃金を給与から引いてもなんら問題ありません。

 

ただ、有給振替の義務がないからといって、振替してはならないわけではありません。従業員から申請があった場合、欠勤した理由によっては、有給振替を認めてあげても良いと思います。このような場合、就業規則上に、以下の規定を設けておくことをお勧めします。

 

第○○条(年次有給休暇の届出)

1 年次有給休暇を請求しようとする者は、前日までに所属長に届出なければならない。ただし、事業の正常な運営を妨げるときは、他の時季に変更することがある。

 

2 病気その他やむを得ない事情により欠勤した場合で、本人から速やかに申出があり、会社が正当な事由による欠勤と認めた場合は、当該欠勤日を年次有給休暇に振り替えることができる。この場合、会社は病気等により欠勤した者から医師の診断証明書または医療機関で受け取ったレシート等の提出を求めることができる。

 

従業員からすれば、自分の有給取得日数が残っていた場合、それを使用して欠勤による給与の減額を防ぎたいのが心情だと思います。そのような場合、申し出を頭ごなしに拒否するのではなく、事情によっては認めてあげることで、従業員の不平・不満が起きにくい会社作りをしていきましょう。

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