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2014年1月

妊娠・出産・育児をする社員への対応における注意点   2014.01.20

法律では、「妊娠や出産を理由とする解雇」を禁止しています。また、妊娠や出産を理由として女性労働者を不利益に扱うことも禁止されています。

解雇が禁止されているのは以下の期間・理由です。

・産前産後の休業中及びその後30日間の解雇

・女性労働者の婚姻、妊娠、出産を理由とする解雇

・妊娠中及び産後1年を経過しない女性労働者の解雇

・育児休業の申し出、取得を理由とする解雇

 

近年は、この「妊産婦への不利益取り扱い禁止」が社員側にも広く認知されてきていますので、乱暴な解雇や不当待遇はすぐトラブルになってしまいます。

 

妊娠や出産を理由とする解雇は禁止されていますが、産前産後休業中の給与は支払わなくて問題ありません。社会保険に加入していれば、産前産後休業時には給与の3分の2相当額が出産手当金として支給されます。この期間、会社の負担は社会保険料のみです。

 

また、産前産後休業後の育児休業も無給で問題ありません。雇用保険に加入していれば、原則子供が1歳になるまで育児休業給付金が受給出来ます。さらに、産前産後休業とは違い、育児休業時は社会保険料が本人、会社ともに免除となります。そのため、会社としては実質的な負担はありません。

 

 

問題はむしろ休んでいる間の「代替要員の確保」や「復帰」について起こりがちです。どのくらいの期間で復帰することを希望しているか、復帰後の労働時間はどうするかなど、子育てに関する予定を事前によくヒアリングしておきましょう。無理やり退職に追い込むことは、トラブルの原因になりますので、話し合いはあくまで慎重に行ってください。

 

 

休憩時間中のケガは労災になるか   2014.01.20

仕事中のけがであれば、労災保険が適用されますが、休憩中の場合は原則として労災保険適用外であり、健康保険が適用されます。

 

けがの原因にもよりますが、原因が「会社の施設の欠陥」等である場合は、例外的に労災適用が可能となることがあります。

労災の認定をするのは労働基準監督署ですので、

社員が会社内で休憩中にけがをした場合であっても、「休憩中の事故だから労災はムリだろう」と勝手に判断せず、労災保険の適用の手続きを行いましょう。

 

ちなみに休憩時間は、「労働時間の途中にとらせる」「一斉付与」「自由利用」という三つの原則があります。一定の業種などで例外は認められていますが、休憩時間にすぐに仕事に取り掛かれるよう待機させることは手待ち時間、つまり「労働時間」と解釈されてしまいます。

手待ち時間には賃金の支払い義務が生じる可能性があります。

 

待機させておく「手待時間」が多い業種の場合は許可申請をしましょう。

手待時間は労働時間となりますが、逆に拘束時間の大部分が手待時間の業種は、疲労や精神の緊張も少ないとされますし、労働基準監督署の許可を受けることを条件とし、労基方の労働時間、休憩、休日を適用除外にすることが可能になります。

手待時間自体は利益もないですが、会社から手待時間の給料を支払いはしたくない場合は、適用除外申請を活用しましょう。

 

仕事中の交通事故に対する対応方法   2014.01.15

自動車を使用して仕事をしていた過程での事故は、労災保険(業務災害)が適用になりますが、同時に車両にかかっている「自動車保険」も使えるため、本人がどちらの保険から給付を受けるかを「選択」することになります。補償対象が同一であるため、どちらも重複してもらうことはできません。

 

では、どんなときにどちらの保険を選択するのがよいでしょうか。

 

1、まずは自動車保険(自賠責保険)から:

交通事故については「自賠責保険優先」という考え方があります。これは行政通達であり、法的な拘束力はないものですが、一般的には当該行政通達に倣って自賠責保険を使うことを第一に考えるケースが多いと言えます。

自賠責保険はすべての車両に加入が義務付けられており、補償内容は以下の通りです。

 

治療費、文書料、休業損害、慰謝料について、合計120万円まで補償

後遺障害・死亡について 75万円~4000万円まで補償

 

被災者が無過失かつ治療費や休業補償の合計が120万円以内に収まる比較的軽微な事故では、自動車保険(自賠責保険)の適用を選択することが多いでしょう。

 

 

2、労災保険と自動車保険の比較

 

労災保険を選択する場合、以下のようなメリットがあります。

①被災者に過失があっても負担が発生しない

交通事故では過失割合が問題となりますが、労災保険では過失割合に関係なく治療費が全額保障され、休業補償についても過失相殺されません。過失割合について当事者間でトラブルがある場合、労災申請をしたほうが迅速に給付がなされます。

 

②治療費の限度金額がない

自賠責保険と異なり、労災保険には治療費の限度額がない点で有利です。

 

②公的保険のため治療費自体が安くなる

自動車保険を利用すると病院では自由診察の扱いとなります。公的保険である労災保険の診療報酬と比べて、自由診療部分は文字通り自由に治療費が設定できるため高くなります。

つまり、同じ治療を受けているにも関わらず治療費自体が2倍にも跳ね上がることもあります。

 

 

過失割合でトラブルになっている場合や、相手方が自賠責保険のみにしか加入していない場合などは、労災保険のメリットを選択したほうがよいでしょう。

 

解雇の種類   2014.01.14

解雇とは、会社側から一方的に雇用契約を解除する行為ですが、その解雇には普通解雇、整理解雇、懲戒解雇の3種類があります。

 

【普通解雇】

普通解雇とは、従業員が勤務するにあたって、会社側と約束したこと(能力や勤務態度など)が実行できなかったことを理由する解雇です。

例えばパソコンを使用して仕事を行う場合、パソコンの使い方がわからなければ仕事になりません。その意味では「パソコンを一定程度使えるという能力」が足りなかったことになります。しかし、パソコンの操作方法がわからないからといって、即座に解雇することは難しいでしょう。

まずはパソコンの操作方法を教え、操作が出来るように指導する必要があります。解雇に対するハードルが高い日本においては、「根気よく何か月も指導したが、全く操作を覚えない」というような前提を踏まえていなければ解雇は認められないと思ってください。

 

 

【整理解雇】

整理解雇とは、経営状況悪化のために、従業員を減らすことを目的とする会社都合の解雇です。整理解雇が認められるためには。4つの要件が必要となります。

 

①本当に人員削減が必要か

どうしてもリストラを行わなければならない理由が必要となります。

②解雇を避けるために努力をしたか

解雇は最終手段です。整理解雇を行う前に会社は次のような努力をしなければなりません。役員報酬の削減、希望退職者の募集、新規採用の抑制、配置転換や出向等です。

③解雇をする従業員の選定は合理的か

人事権のある人物が、個人的感情で選定してはいけません。勤務態度や営業成績等の客観的な判断基準が必要です。

④整理解雇までの手続きは妥当なものか

整理解雇の対象となる従業員へ整理解雇の理由を説明したか、十分に話し合いを行って納得を得る努力をおこなったかが大切になります。

 

 

【懲戒解雇】

従業員の責めに帰すべき理由による解雇です。

懲戒処分は主に従業員の非行・悪事・失敗に対して、その重大さによって、軽いものから譴責(厳重注意)、減給、出勤停止、降格、諭旨退職、懲戒解雇に分けられます。懲戒処分を行うためには、就業規則の定めが必要となります。懲戒解雇でも、30日前までの解雇予告や、解雇予告手当の支払いは必要となりますが、労働基準監督署で除外認定を行う事で即時解雇が可能です。

 

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