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2013年12月

雇用保険の手続きを忘れていたときの対処法   2013.12.06

雇用保険の資格取得(入社手続き)を忘れていた場合、過去に遡って手続きを行うことはできますが、原則として2年間しか遡ることができません。

2年以上前から入社をしていた場合、本人の雇用保険加入期間が少なくなり、本人が退職した時に失業給付の額に影響が出る可能性があります。(失業給付は、加入期間によって支給額が変わります。)

 

ただし、例外として2年以上遡って手続きすることも可能です。

この場合は、当該2年以上前の期間について雇用保険料を天引きしていた事実が必要となります。つまり、過去の賃金台帳を提出して「前から雇用保険に加入しているという前提で保険料天引きをしていたが、たまたま手続きを忘れていただけだ」という状態でなければ2年以上の遡り手続きはできません。

 

 

加入手続きが済んでいるかどうかを確認するには:

管轄のハローワークで「事業所被保険者台帳提供依頼書」を届け出ることで、現在の被保険者一覧表が観覧できます。

現在の被保険者一覧表で雇用保険の加入漏れかどうか確認できます。

 

 

加入漏れは会社への信頼感を損なうことにもなりかねませんし、社員にとって失業保険給付に関わる一大事となりますので注意してください。

できれば2年に1回は加入漏れがないかを確認するような体制を整えておくとよいでしょう。

プライベートで警察に逮捕された社員にはどう対処すればよいか   2013.12.04

プライベートな時間中に警察に逮捕されるなどの問題行動を起こした場合、会社はその対応に注意が必要です。原則として、仕事とは無関係の私的なトラブルでは懲戒処分はできないと考えられています。

 

例えば、

  1. 電車内で痴漢が発覚し現行犯逮捕された。
  2. 酔っぱらってケンカをして暴行・傷害事件で訴えられた。
  3. 窃盗などで逮捕された。

 

といったことが起こった場合、その私生活上のトラブルがどの程度会社に不利益を与えたかを検討する必要があります。

当該犯罪行為が

 

・業務に悪影響を及ぼす場合

・会社の信用を著しく落とす場合

 

であれば、解雇を含めた懲戒処分をすることも可能でしょう。ただし、それが客観的に見て軽微な犯罪で、更生の意思も見られ、再犯性が低いような場合であれば、解雇権濫用と見なされることもあります。

刑事事件を起こした=解雇とは限らないことにご注意ください。

 

私生活上の犯罪行為に関する解雇を巡って争われた過去の判例では、例えば、バスやタクシーの運転手がプライベートで飲酒運転事故を起こした場合、車を運転するという業務から鑑みて、飲酒運転は厳罰が求められるべきとのことから解雇が有効とされたケースがあります。社会的に求められる職業姿勢に照らし合わせて当該犯罪行為がどういう意味を持つかという点を考えなければなりません。

割増賃金から控除できる手当とは   2013.12.03

所定時間外労働(いわゆる残業)や、深夜、休日労働に対する割増賃金の基礎となるのは、所定労働時間の労働に対して支払われる「1時間当たりの賃金額」です。この1時間あたりの賃金とは、基本給だけを指すものではありません。職務手当や役職手当など、各手当を含めて計算します。

 

しかし、以下の7つは労働と直接的な関係が薄く、個人事情に基づいて支給されているため、基礎賃金から除外することが出来ます。

7つは限定的に列挙されたものですので、これ以外の手当を控除して割増単価を低くすることは法律違反となります。

 

①家族手当

扶養家族のある労働者に対し、家族の人数に応じて支給するもの。※扶養家族の有無に関係なく支給するものは除外できません。

②通勤手当

通勤に応じた費用で支給するもの。※通勤費用や距離に関係なく一律支給するものは控除できません。

③別所手当

扶養家族と別居することによる生活費の補助として支給されるもの。※扶養家族の有無に関係なく支給されるものは控除できません。

④子女教育手当

社員の子供の教育費補助として支給されるもの。

⑤住宅手当

住宅に要する費用に定率を乗じたもの。※住宅の形態ごとに一律に定額で支給するものは控除できません。

⑥臨時に支払われる賃金

臨時に支払われる賃金。退職金などが該当します。

1ヶ月を超えるごとに支払われる賃金

1ヶ月を超えて支給される、賞与や精勤手当等が該当します。

 

上記の7つは同じ名称であっても異なった性質で支給された場合には基礎賃金から控除することは出来ませんので、注意が必要です。


なお、就業規則並びに雇用契約書などで、役職手当の意味合いを「残業代の定額支給」と定義付けている場合など、手当そのものが割増賃金であれば当然に割増賃金の計算基礎に含まないことになりますが、定義を適法にしておく必要があります。


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