労務コラム

通勤手当の申請経路とは違う経路で交通事故にあった場合   2013.12.27

通勤手当の支給額決定のため、通勤の経路を報告させていることがあります。

その報告を受けた経路と違うルートで通勤を行っている最中に交通事故などにあってしまった場合は、労災保険(通勤災害)の適用がされるかというと、それが「合理的な経路及び方法」であるなら適用されます。

逆に言うと、特段に合理的な理由もなく大きく遠回りする場合、無免許運転をする場合などは「合理的な経路及び方法」と認められず、通勤災害の適用範囲から外れてしまうことがあります。

通勤災害の適用の如何は最終的には労働基準監督署の判断によるので、事実のまま申請をしましょう。

 

一方で、本件は「虚偽の通勤ルート報告をしていた」ことについて社内処分の観点で検討をしなければなりません。

 

多いケースでは、会社には電車での通勤申請をし、定期代を請求しているが、実際は自転車やバイクで通勤することがあげられます。このようなことを通勤手当の水増し請求、架空請求ともいいます。

これらの通勤手当の水増し、架空請求は、虚偽の申請として服務規定違反といえます。

会社としては、そのような行為が発見された場合は、処分が下るような服務事項・懲戒処分項目を規定しておくことが必要になります。

 

またこのような通勤ルート虚偽申告などの服務規律違反を未然に予防するために

 

・通勤手当の支給申請には領収書や定期券の写しを提出させるようにしましょう。

・車やバイクでの通勤の場合は、免許証のほか、自賠責保険ならびに任意の自動車損害補償保険の加入証書などの写しを提出させましょう。

 

まとめると、通勤ルートを正しく申告させる意義とは

 

①    万が一通勤災害として認定されないことを防ぐため

②    通勤手当の架空申請などの不正を防ぐため

 

であることに留意してください。

 

 

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