労務コラム

労災保険未加入中の労災事故   2014.03.04

労働者を1人でも雇っている事業主は労災保険の加入手続きを行わなければなりません。この労災保険手続きを行っていない場合、事故発生で思わぬ費用を払わなければならないことがあります。

 

労災保険の加入手続きとは、「労働保険関係成立届」を労働基準監督署に提出することですが、この手続きを行っていなかったとしても、労災事故が起きた場合は「労働者保護の観点」から保険は適用されます。つまり労働者は労災保険の給付を受けることができます。

では、事故が起きるまでは加入しなくても良いのではと思ってしまうかもしれませんが、未加入時に事故が発生した場合、会社に対してペナルティが課せられます。

 

パナルティは遡って保険料を徴収する他に、給付を受けた金額の40%又は100%を事業主から徴収します。

 

<「故意」に手続きを行わなかった場合>

労災保険の加入手続きについて行政機関から指導等を受けたにも関わらず、手続きを行わない期間中に事故が起きた場合、「故意」と判断されます。「故意」と判断された場合には、保険給付額の100%が徴収されます。

 

<「重大な過失」により手続きを行わなかった場合>

労災保険の加入手続きについて行政機関から指導等は受けていないものの、労災保険の適用事業となってから1年を経過し、手続きを行わずに事故が起きた場合、「重大な過失」と判断されます。この場合には、保険給付額の40%が徴収されます。

 

 

例:行政機関から加入の指導は受けていなかったが、労災加入手続きを行っていなかった会社で、賃金日額1万円の従業員が労災事故で死亡し、遺族に労災保険から遺族補償一時金が支給された場合。

 

遺族補償一時金(1万円(賃金日額)×1000日分)×40%=400万円

 

ペナルティの額が想像以上に高額になることもあるので、未加入の場合は早急に手続きを行いましょう。また、労災保険は場所ごとに適用になるので、支店を開設した場合の手続きも忘れずに行いましょう。

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