労務コラム

採用時に健康状態や通院歴を尋ねてもよいか   2014.05.29

採用を労働力の提供を受ける以上、応募者の健康状態は会社側にとって重大な関心ごとです。

健康状態や通院歴を尋ねることはプライバシーの観点から気が引けることもあります。

しかし、そもそも会社は「健康に働けること」を前提にして雇い入れ時の賃金を設定しているはずですから、本来は会社が「健康な人を雇う」という条件を付することには何ら問題ないはずです。

 

例えば、日本との寒暖差が激しい海外での勤務が想定される場合には、それなりの体力と健康状態が求められるでしょうし、車を運転する業務であれば、発作を発症する病気を持っている場合は勤務にふさわしいとは言えないでしょう。

 

つまり、自社で求める働き方にふさわしい健康状態であるか否かは選考の際に確認しても原則としては問題になりません。

 

ただし、メンタル面での病歴については慎重な聞き方をする必要があります。健康診断結果だけではメンタル面の不調は必ずしもわかりませんので、「過去○年間に通院したことがありますか?ある場合は疾病名を記入してください」など補助的な確認書類の提出を求めて、精神疾患も含めた過去の病歴を確認してはいかがでしょうか。

 

ちなみに、職業安定法第5条4では、「社員を募集するにあたって、業務の目的の達成に必要な範囲内で個人情報を収集することができる」と定めてあり、健康状態も必要な情報一部と解されます。

また、個人情報保護法は、収集した個人情報を「どのように管理するか」を制限する法律ですので、情報を収集する行為に対する制約をつけるものではありません。

 

就職差別にならないように気を付けつつ、会社が求める健康状態に適う人材採用をしましょう。

 

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