労務コラム

労働組合法とは   2014.08.20

労働者と企業(使用者)が労働条件を結ぶ上で、1人1人の労働者の力では使用者と対等な立場に立つことは難しく、実質的に労働者と使用者が対等な交渉ができるように、憲法では下記の労働三権が保障されています。

1、団結権(労働組合を結成する権利)

2、団体交渉権(労使間の団体交渉を保障する権利)

3、団体行動権(ストライキ等の合法的な労働争議を行う権利)

これらの権利を明確にするために制定された法律が、「労働組合法」です。

 

不当労働行為

労働組合法の中で、最も知っておいて欲しい箇所は、労働組合法第7条に制定されている下記の「不当労働行為:使用者がしてはならない行為」です。

 

・不利益取り扱い

→労働者が労働組合を結成しようとしたこと、もしくは組合員として活動したことなどを理由に、その労働者について解雇等、不利益を与える取り扱いをすること

 

・黄犬契約

→労働組合に加入しないこと、組合を脱退することを条件とした採用活動をすること

 

・団体交渉の拒否

→正当な理由なく、労働組合からの団体交渉の申し入れを拒否すること

 

・支配介入

→労働組合の結成、運営に対し、会社が介入したり、支配すること

 

・経費援助

→労働組合の運営のための経費を、会社が援助すること

 

・報復的不利益取り扱い

→労働者が「不当労働行為」の申立てをしたこと等を理由に、解雇等の不利益取り扱いをすること

 

労働組合法は、使用者に対して、労働組合からの団体交渉に応じ、誠実に交渉する義務を課しています。しかし、交渉が行われたからと言って、労働組合の要求を会社が受け入れなければならないわけではありません。受け入れられない理由を明確に示したうえで拒否することは、当然にできます。労働組合と関わる場合は、労働組合法上の不当労働行為をしないことを前提とした姿勢で臨むようにしましょう。

 

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