労務コラム

時間外の研修時間に給与を支払う必要があるか   2015.01.21

会社が従業員に対して時間外に研修を行った場合、たとえその時間に作業をしていなくても給与を支払わなければならない場合があります。給与支払いの必要があるかどうかついては、以下の点によって決まります。

 

  1. 強制参加の研修であれば給与支払いの必要あり

強制的に参加をさせている研修であれば、会社の「指揮命令」によるものですから、その時間は労働時間となり、給与支払いの義務が出てきます。

 

  1. 強制参加としてなくても「参加が暗黙のルール」であれば給与支払いの必要あり

任意で参加する研修であったとしても、「実質的には強制されているのと同じ」状態であれば、その研修時間はやはり労働時間となります。過去の裁判では「会社の黙示的な指示があると認められるときには、労働時間として取り扱う」と言う解釈がなされています。黙示的指示があったかどうかを判断する基準は以下のものがあります。

l  参加する従業員の仕事内容とどれだけ関連しているか

l  労働安全衛生法など法令に基づいて実施するものであるかどうか

l  参加しないことにより不利益な取り扱いがあるかどうか

研修に参加しないことが給与査定に影響したり、罰金などペナルティーがあった場合、表向きは強制でなくても実質的に参加を強制されていると見なされます。

 

逆に言うと、研修時間を「労働時間」としないためには、就業規則上の制裁等の不利益取り扱いによる出席の強制をせず、「従業員側から自発的に申し込む書類を提出してもらう」など、自由参加であることを示す状況を整えましょう。

 

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