労務コラム

人事労務の環境整備不足を「負債」であると考える   2015.04.30

会社の財務状態を表す「貸借対照表=バランスシート」の見方はご存知でしょうか。左右に分かれているバランスシートは、右側が「資本および負債:お金をどうやって調達したか」を表し、左側が「資産:そのお金が何に姿を変えているか」を表します。

 

健全な会社は「負債」つまり借金や未払い金が少なく、「資産」の中ですぐに現金化できるものが多いと言われています。例えば借金が少なく自己資本で多くのお金を調達しつつ、それを現金や貯金の状態でたくさん持っていれば、いざというときに支払いに困らずに済みます。

 

人事労務の環境の整備状況は基本的にこのバランスシートに表れない数字ですが、実は「目に見えない負債」にあたると考えられます。

 

つまり、残業代や過重労働への対策を何もしていなければいつかそれがトラブルになり、100万円単位のお金が出ていくことになるかもしれません。

 

この人事労務の環境整備の不足とは、例えば次のようなことがあります。

 

・残業代対策ができていない

・休日労働が多い

・健康診断をしていない

・うつ病の人が増えているが対策をしていない

・退職金規程がバブル時期のままで、たくさん支払いが生じる予定がある

・育児休業制度の未整備

 

これらを放置しておくと、会社の財務状態に一気にダメージを与える可能性があることを経営者はよく意識しておく必要があります。専門家の意見を聞きながらしっかり整備を進めていくことをオススメします。

 

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