労務コラム

過重労働撲滅特別対策班について   2016.02.10

 

働時間|東京労働局・過重労働撲滅特別対策班 通称「かとく」とは?

 

2015年4月1日、過重労働による健康被害の防止などを強化するため、違法な長時間労働を行う事業所に対して監督指導を行う過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」が新設されました。

 

国が長時間労働を問題視し、強弁な姿勢で立ち入り調査などをすることで過重労働を抑制しようという意図が見えます。

 

有名なのは、2015年7月の「ABCマート違法残業摘発事件」です。

36協定(時間外労働の限度を定めた協定書)で定められた上限を超えた残業をさせていたとして、責任者らが書類送検されました。

 

この事件で、ABCマートは法定通りで計算した割増賃金を支払っていたようですが、それでも「労働時間が長すぎること」をもって書類送検に行ったということで、強気な姿勢がうかがえます。人手不足に悩む飲食、小売、サービス業や、ITなど長時間労働が起こりがちな業種に対して、今後もこの過重労働撲滅特別対策班の立ち入り調査が起こる可能性があります。

 

小売・外食・サービス業界などは、近年は人手不足により、長時間労働になりやすいと指摘されていますが、これらの業界に対して、行政の取締はますます強化されていくことが予想されます。

 

残業が多すぎると健康被害を誘発するばかりか、労働者との間でもトラブルの種を育てることになります。最近はスマートフォンなどで気軽に労働法を調べることもできるため、企業側は特に労働時間などの労働環境整備に気をつけなければなりません。

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