出張や社員旅行などで泥酔してけがをした場合の対応策 2016.05.27
労働者の仕事中のケガや病気については労災保険でカバーされますが、出張や社員旅行などの際に酒に酔ってケガなどをした場合は注意が必要です。
出張中の場合:
出張中は、その用務の成否や遂行方法などについて包括的に事業主が責任を負っているため、よほどの事情がない限り、出張過程の「全般について」事業主の支配下にあるとみなされます。そのため、出張中のケガや病気については労災補償の対象となることが多いでしょう。
ただし、労災には「業務起因性:業務が原因で被災した」ならびに「業務遂行性:業務を行っている最中だった」の二つの要件が必要ですので、どんなケガや病気でも出張中だからOKというわけではありません。
例えば過去の判例では、出張中の懇親会で酔っぱらって階段から落ちた事件について、「懇親会は仕事に付随したものだった」と認められて、労災事故となった例があります。他方で、同じく酔っぱらって二回の窓から用を足していて足を滑らせて転落したケースでは、労災として認められなかったこともあるようです。
社員旅行中の場合:
社員旅行の場合、「業務上」の負傷等であるか否かは、主催の目的、内容、参加の強制の有無、費用負担、運営方法から総合的に判断されることになります。一般的には、参加の強制がない場合には、特別な事情がない限り、社員旅行=労災とはならないでしょう。
飲酒については社会的な監視の目も強まっています。ハメを外し過ぎて事故にならないように気を付けましょう。
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