労務コラム

採用面接時に健康状態や病歴を聞いても良いか   2016.07.11

会社が従業員に健康で長く勤めてもらいたいと考えるのは当然であり、応募者の健康状態は採用時に確認しておきたいことの1つです。近年では、うつ病等のメンタル不調による長期休職や頻繁に欠勤を繰り返す等、思うように勤務できないケースも増えてきていますので、ますます関心が高まるところでしょう。

 

健康状態や病歴は聞いても良い

結論から述べると、応募者に健康状態や病歴について聞くことは、違法ではありません。職業安定法第5条4では「社員を募集するにあたって、業務の目的の達成に必要な範囲内で個人情報を収集することができる」と定めてあり、健康状態も必要な情報の一部とされます。

 

個人情報保護法との関係

応募者に健康状態を聞く事は個人情報保護法という法律に抵触しそうでが、これは収集した個人情報を「どのように管理するか」を制限する法律で、情報を収集する行為に制約をつけるものではありません。ただし、「プライバシーだから答えたくない」という回答や書面に記入してもらえなかった場合、「記入しないと不採用にするぞ」といった回答を強制する発言や行為はトラブル防止の観点から避けた方が賢明です。

 

メンタル面での病歴について

メンタル面での病歴は、慎重な聞き方をする必要があります。通常の健康診断結果だけではメンタル面の不調を読み取ることは難しいので、過去数年の間に通院したことがあるか、ある場合には疾病名を記入してもらう等、補助的な確認書類の提出を求めて把握しましょう。

 

応募者の健康状態を聞く事は心理的に抵抗があるかもしれませんが、聞くことそのものは違法でないので、その結果も踏まえたうえで会社にとって求める人材を採用しましょう。

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