労務コラム

募集時に性別等を限定することは可能か   2016.07.31

美容室などでは、男性美容師を嫌がるお客様のために女性のみを募集したいというところもあるでしょう。

 

現在、男女雇用機会均等法は,「法の下の平等を保障する日本国憲法 の理念にのっとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図る」こと等を趣旨とし(1条),第5条(性別を理由とする差別の禁止)で,「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。 」と規定しています。これは,採用について男性のみに限定する場合にのみならず,女性に限定することをも禁止しているものです。

 

募集または採用に当たって,男女のいずれかを表す職種の名称を用い,または「男性歓迎」,「女性向きの職種」等の表示を行うことも禁止されています(平成18年10月11日厚生労働省告示614号)。ただし,芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から男女のいずれかのみに従事させることが必要な職務等(俳優など)については,その募集または採用に当たって性別により異なる措置を講じたとしても,男女雇用機会均等法違反にはならないケースもあるようです(上記告示)。また,防犯のための守衛・警備員を男性に限定して募集するのは差し支えないとされています(上記告示)。

 

上記の観点で言うと「男性美容師が嫌な人のために」女性のみを募集するというのは,男女雇用機会均等法の趣旨からは合理的な理由があるとはされないでしょう。ただ、男女雇用機会均等法では法5条に違反しても罰則はありません。

どうしても女性に多く応募してもらいたいのであれば、応募条件に性別を入れず、店のPRで「女性スタッフのみのお店です」としてみていかがでしょうか。

 

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