労務コラム

高額療養費と限度額認定について   2016.12.05

病院に長期入院した場合、治療が長引く場合に医療費の自己負担が高額になることがあります。その場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分の払い戻しが受けられる制度が健康保険上にあります。

 

 

自己負担額について

自己負担限度額は、年齢および所得状況により以下のように設定されています。ここでは70歳未満の限度額について紹介します。

 

1、所得区分(標準報酬月額83万以上)

自己負担額:252600円+(総医療費-842000円)×1%

 

2、所得区分(標準報酬月額53万~79万円)

自己負担額:167400円+(総医療費-558000円)×1%

 

3、所得区分(標準報酬月額28万~50万)

自己負担額:80100円+(総医療費-267000円)×1%

 

4、所得区分(標準報酬月額26万以下)

自己負担額:57600円

 

5、所得区分(低所得者)、被保険者が市区町村民税の非課税者等

自己負担額:35400円

 

 

例えば、標準報酬月額36万円の方で医療費が60万円かかった場合

自己負担額:80100円+(600000円-267000円)×1%=83430円となります。

 

限度額認定について

70歳未満の方で、あらかじめ長期入院により医療費が高額になることが分かっている場合、一医療機関での窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができます。

ただし、この制度を利用するには、事前に「健康保険限度額適用認定申請書」を提出し、「健康保険限度額適用認定証」の交付を受けたうえで窓口にて提示する必要があります。

 

 

高額療養費と限度額認定は、医療費の自己負担を一定に抑えてくれる同じ趣旨の制度です。ただ、限度額認定が窓口での支払いを自己負担限度額に抑えられるのに対し、高額療養費は、自己負担限度額の超過分を後から取り戻す申請をしなければならないため、一時的にでも費用負担が大きいです。

 

また、高額療養費の審査には3ヵ月以上かかるので払い戻しまでに時間もかかります。従業員から長期入院することを事前に聞いている場合は、「限度額認定」が受けられるよう便宜を図ってあげられると良いでしょう。

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