就業規則が有効であるための条件 2017.01.27
作成した就業規則が有効であると会社が主張するためには、以下の点に特に注意する必要があります。
1、従業員に周知をしていること
2、その内容が合理的であること
「周知」という言葉の定義については「従業員が見ようと思ったら見ることができること」とされています。例えば次のような状態を指します。
・常時事業場の見やすい場所に掲示してある、または誰もが手に取れる書棚に保管してある。
・コピーが従業員に配布されている
・会社のパソコンのデスクトップなどにワードデータが保存されている
「就業規則は②のように全従業員に配布しなければならないのか」という質問がありますが、労働基準法上の「周知」は配布までは義務付けていません。
ただし、「周知がちゃんとされていたか否か」ということは労働問題が起きた時に争点になりやすいことも確かです。後になって「就業規則があることを知らなかった」という言い分に対抗できるように、会社としては慎重に就業規則周知方法を選択しなければなりません。
次に「合理的な内容であるか否か」についてですが、こちらは裁判所において判断することになります。内容が労働基準法を下回る場合は無効となりますが、そうでなければ合理性は争っている事案ごとにケースバイケースで決定されます。
例えば、時代の流れに合わせて出張の日当を減額する就業規則変更を行った場合、その日当減額が「会社側の論理としては合理的」でも「客観的な財務状態や労働者の不利益の程度の面からみて合理性がない」と裁判所で判断されることもあります。
なお、事業所の労働者数が10人以上の場合は就業規則を労働基準監督署へ届出する義務がありますので注意しましょう。
新着エントリー
- 障害者雇用率制度の概要
- 労務関係の書類保管について
- 社内恋愛を禁止する正当性
- 業務外でトラブルが発生した社員の対応
- アルバイトも有休を取れるのか
- 夏休みや冬休みを有給扱いにできるか
- 在宅勤務のみなし労働時間制度
- 社員を雇った時の書類をきちんとしよう
- 「会社側の」面接のマナー
- 社会保険適用拡大について
カテゴリ別エントリー
月別エントリー
- 2017年12月 ( 15 )
- 2017年5月 ( 3 )
- 2017年4月 ( 3 )
- 2017年2月 ( 2 )
- 2017年1月 ( 2 )
- 2016年12月 ( 5 )
- 2016年11月 ( 19 )
- 2016年8月 ( 3 )
- 2016年7月 ( 3 )
- 2016年6月 ( 4 )
- 2016年5月 ( 7 )
- 2016年4月 ( 4 )
- 2016年3月 ( 4 )
- 2016年2月 ( 2 )
- 2016年1月 ( 3 )
- 2015年12月 ( 8 )
- 2015年10月 ( 4 )
- 2015年9月 ( 6 )
- 2015年8月 ( 6 )
- 2015年7月 ( 5 )
- 2015年6月 ( 6 )
- 2015年5月 ( 6 )
- 2015年4月 ( 6 )
- 2015年3月 ( 8 )
- 2015年2月 ( 6 )
- 2015年1月 ( 4 )
- 2014年12月 ( 7 )
- 2014年11月 ( 6 )
- 2014年10月 ( 5 )
- 2014年9月 ( 6 )
- 2014年8月 ( 6 )
- 2014年7月 ( 6 )
- 2014年6月 ( 6 )
- 2014年5月 ( 10 )
- 2014年3月 ( 4 )
- 2014年2月 ( 5 )
- 2014年1月 ( 4 )
- 2013年12月 ( 8 )
- 2013年11月 ( 5 )
- 2013年10月 ( 6 )
- 2013年9月 ( 7 )
- 2013年8月 ( 4 )
- 2013年7月 ( 8 )
- 2013年6月 ( 3 )
- 2013年5月 ( 5 )
- 2013年4月 ( 7 )
- 2013年3月 ( 3 )
- 2013年2月 ( 4 )
- 2013年1月 ( 10 )
- 2012年11月 ( 10 )
- 2012年10月 ( 9 )
- 2012年9月 ( 10 )
- 2012年7月 ( 6 )
- 2012年6月 ( 3 )
- 2012年5月 ( 3 )
- 2012年4月 ( 3 )
- 2011年9月 ( 2 )
- 2011年8月 ( 1 )
- 2011年7月 ( 3 )
- 2011年6月 ( 3 )
- 2011年5月 ( 5 )
サービス一覧
代表やなばらのブログ
- 2015.08.16
- 【必死で泳ぐ、好奇心、ハイボール】
- 2015.08.10
- 【部下へのアドバイスはやめましょう】
- 2015.08.10
- 【笑顔は結果ではない】
- 2015.05.27
- ドライとウェットの二択で迷う前に。
- 2015.05.01
- 労働市場は変わっている
労務コラム
- 2017.12.20
- 障害者雇用率制度の概要
- 2017.12.20
- 労務関係の書類保管について
- 2017.12.20
- 社内恋愛を禁止する正当性
- 2017.12.20
- 業務外でトラブルが発生した社員の対応
- 2017.12.20
- アルバイトも有休を取れるのか
SRP認証事務所です
当事務所はSRP認証事務所です。個人情報保護の基準を満たしていることを全国社会保険労務士会連合会より認証されています。(認証番号:131535)