労務コラム

「検索文化」が労使トラブルを助長しているのか   2013.06.11

最近の労務に関するトラブル増加の要因は何でしょうか。

 

要因として、スマートフォンなどインターネット検索を容易にする機器の普及により「労働法知識に関する情報が簡単に手に入るようになったこと」や、「個人の権利意識が強くなったこと」が挙げられるのではないでしょうか。

 

インターネット検索の容易さ:

今日では、インターネット(PCやスマートフォンなどの普及)を通じて、労働法に関する知識や、会社に権利主張するための方法などの情報が容易に入手できるようになりました。「未払い残業代 請求」「不当解雇」などの検索ワードでインターネット検索をすれば、それこそ数えきれないほどの情報が出てきます。

 

そしてインターネット経由で気軽に習得された(しかもそれはしばしば権利意識を強調した)情報により、少なからず権威意識の高まりは助長されるようになったのではないでしょうか。

法律違反は是正されるべきですが、労働法の条文の中には業種・企業規模の現状に合わない箇所もあるでしょう。「現在の労働事情と乖離した部分」についても杓子定規に行使できる権利を主張し始めたことで、昨今の労務トラブルは増加したと考えられます。

 

さらに、日本の終身雇用に対する公信力が弱まり、会社への忠誠心が減退したのも要因の一つだと考えられます。

 

 

いずれにせよ世の中や社員の意識は大きく変化しています。社員は「自分の身は自分で守らなければならない」という立場になっています。忠誠心も減退していることから、滅私奉公的な勤務意識や、「上から目線」の考えを許容する社員は少なくなっているのではないでしょうか。

 

しかしインターネット普及に逆行することはできません。

これからは、「個人の権利・自己防衛」でなく「会社全体の共通目的」をいかに共有していくかを会社は考えなければならないと思います。

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