労務コラム

時間単位の有給休暇   2013.08.20

有給休暇は1日単位でしか与えられないかというと、そうではありません。

時間単位の有給休暇は、労使協定を結べば導入することが可能です。労使協定には、以下の内容を取り決める必要があります。

 

①    対象者の範囲

②    時間単位の有給を取得できる日数

③    時間単位の有給休暇の1日分の時間数

④    1時間以外を単位にする場合は、その時間数

 

注意点:

時間単位での有給休暇には、いくつか制限があります。

まず、②の取得日数は5日分が限度となっています。なぜなら、有給休暇はリフレッシュするために1日で消化することが原則だからです。前年の繰り越し分があったとしても、繰り越し分を含めて5日以内となります。

また、最小単位は1時間となっており、分単位の支給は認められません。

さらに、時間単位の計画的付与はできません。従業員からの「支障があるため時間を変更してほしい」という時季変更権は行使できます。しかし、会社からの「○日の○時から3時間支給します」という計画的付与は認められません。

 

 

時間単位にする場合、1時間分の給与は下記のいずれかを所定労働時間で割った額となります。標準報酬日額とする場合は、労使協定が必要となります。

①    平均賃金

②    所定労働時間に働いた場合に支払う通常の給与

③    標準報酬日額

 

 

時間単位の有給休暇は、有給をなかなか消化できない従業員には良い方法です。しかし、会社はそれを無理に導入しなければいけないわけではありません。

労働者の便宜を図る意味で導入するのはよいですが、その分管理が煩雑になるので、よく検討してから導入すると良いでしょう。

 

 

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