労務コラム

定額残業制導入の注意点   2015.02.05

時間管理や計算の煩わしさから、残業代を含めて基本給で支払うという方式をとることがあります。しかしこの場合、たとえ「この給料は残業代込だから」という説明を従業員にしたとしても、それだけで実際に発生した残業代を支払ったことにはなりません。残業代を定額で支払う際は次の点に注意してください。

 

1、残業代を他の給与と明確に区分する

残業代を定額で支払う場合、まず「どれが残業代相当分なのか」を明確に分けておく必要があります。「総支給30万円、残業代込」としているならば、例えば「基本給25万円、定額残業手当5万円(合計27時間分)」などの表現にあらためてください。定額残業手当が何時間分の残業に当たるのかも明記する必要があることにも注意してください。

 

2、就業規則と雇用契約書、給与明細に制度を明記する

会社のルールブックである就業規則、その他給与明細や雇用契約書にも定額残業代のルールについて明記しましょう。定額残業代は「○時間分の残業分を固定で払うという基準を定め、残業が少なくても減額なし、残業が多くてオーバーする分は別途計算して払うと」いう趣旨ものでなくてはなりません。

 

3、実際に時間管理をする

定額残業代であることを主張するには、実際に労働時間が管理され、「定額残業代で定める時間を超えているかどうか、超えているとすればどれだけ超えているか」を毎月チェックしている状態でなくてはなりません。タイムカードや出勤簿がない状態では定額残業制が運用されているとはみなされないため注意が必要です。

 

定額残業制の導入には専門家の意見を聞きながら進めましょう。

 

 

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