労務コラム

従業員から休職を申請されたら断れないか   2015.04.14

休職とは、病気やけが(業務上の理由でないもの)によって働けない場合に、労働義務を免除することをいます。よく勘違いされていますが、休職は労働者の権利ではありません。あくまでも会社が「休め」と命令するものであることに注意が必要です。

 

雇用契約に基づく義務:

会社と従業員の間には「雇用契約」が結ばれています。雇用契約を結んでいる以上、法律的にはそれぞれ次の義務があります。

 

①会社側は給与を支払う義務がある

②従業員側は働く義務がある

 

ですから、従業員側が自分の病気やけがで働けないことは、雇用契約上の義務に違反していることになります。厳しい言い方をすれば自分の都合で働けない状態になったわけですから、本来であれば解雇事由にもあたるはずのものですが、病気は仕方がないということで一定期間の猶予期間を設けて「療養しなさい」と命令することを休職といいます。

 

よって、従業員から休職を求められたらといって、必ず認めなければならないわけではありませんし、就業規則に載せる義務もありません。あくまで会社側が主導権を持って命令します。

 

「ウチに休職制度はないから、病気になったら有給休暇を取得してくれ」というスタンスでも問題ありません。

 

ただし、現実的には「働けなければ辞めてくれ」とバッサリ切り捨てることもなかなかできないでしょうから、必要に応じて療養に協力して、安心して勤めることができる環境づくりをしていくとよいでしょう。

 

 

 

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