労務コラム

取引先の接待で飲食をしている時間は残業になるのか   2015.04.20

業種や職種によっては、取引先や営業先の接待があります。夜にお酒を飲むことはあるでしょう。この接待の時間中が労働時間になるのかどうかは、次のポイントをもとに決まります。

 

  1. 会社命令の有無

接待の席に「行かなければならない」状況であったか、をまず考慮します。上司から命令を明確に受けた場合であれば労働時間となるでしょう。同様に、強制はされていないが実質的には強制的であった場合も労働時間となる可能性が高いと言えます。

 

  1. 接待の「目的」と業務性の有無

取引先と商談をするのであれば、仕事に関連していると見ることができるでしょうから業務性があります。ただし、単に親睦を深めるといった理由では業務性がないと判断されるかもしれません。あくまでその接待時間の「目的」によって業務性が判断されます。

 

「残業代」よりも「労災」が争点になる

この基準をもとに労働時間であるかどうかを判断するわけですが、この種類の事案では「残業代」ではなく「労災」を巡って争うことの方が多いでしょう。

労働時間であると判断された場合、その飲み会でケガをした場合労災として認められます。ただし、二次会、三次会と続いて、帰りに酔っぱらって転んでケガをした場合など、「もはや労働時間とは言えない段階でのケガ」であれば、労災対象にならないこともあります。

 

ちなみに、主席に女性を意図的に同席させ、お酌をさせるなどの行為はセクハラやパワハラという別の問題が出てきますので注意が必要です。

 

 

 

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