労務コラム

自己都合退職の撤回について   2015.05.29

自己都合での退職を申し出た社員が後になって「やはり退職したくない」と退職の撤回を求めた場合、会社はそれに応じなければならないのでしょうか。

 

「一方的な解約の宣言」なのか「合意解約を申し入れた」のか

退職願の提出について、その提出が「会社の合意なんて関係ない。一方的に期日を指定して辞める」という意思があるならば、原則として撤回に応じる必要はないとされています。一方で「○月○日に辞めたいのだが、認めてくれますか?」という伺いをたてる趣旨であるならば、会社側が退職を承認する前であれば撤回ができると考えられます。別の言い方をすると「合意解約の申し入れ」の場合であっても、会社が承諾したあとの撤回はできないとみなされます。

 

判断に迷う時はどうすればよいか

では、「一方的な解約の宣言」と「合意解約を申し入れた」のどちらであるかの判断については慎重に行う必要があります。

一般的に「退職届」=一方的な解約の宣言、「退職願」=合意解約の申し入れと見なされると言われていますが、実際に退職を巡ってトラブルになるときは状況を総合的にみて判断されるでしょう。例えば形式上退職届となっていても、「退職させてくれませんか?」とお願いするニュアンスを口頭で伝えていた場合、本人は相手の合意をもらうつもりであったと解釈されるかもしれません。

退職の撤回を巡ってのトラブルを未然に防ぐためには、①本人の意思確認を正確に行うこと②会社の意思を明確に示すことに尽きます。

後から撤回されたくない退職の場合、退職願について承諾したことを客観的資料(書面やメールなど)で残しておくなどの対策が有効でしょう。

 

 

 

 

 

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