労務コラム

給与からの天引きについて   2016.06.20

従業員に支払う給与を計算する際、税金などを“天引き”して、金額を決定します。その天引きには、どのような法的根拠やルールがあるか、きちんと押さえておくと、トラブルの防止に役立ちます。

 

法定控除について

まず、法によって納付が義務付けられているために、会社が労働者の了解を得ることなく天引き(控除)することが認められている費用があります。「法定控除」と呼ばれるものです。具体的には、以下の3項目があげられます。

・税金(所得税、住民税)

・社会保険料

・雇用保険料

これらは公的な制度であることが知られていますから、特に問題視している方はいないでしょう。

 

法定外控除について

注意したいのが、法定控除以外の名目で給料からの天引きを行う場合です。これについては、その内容を労使協定で定めておかなくてはいけません。労使の合意なしにレクリエーションのための親睦会費などを、勝手に天引きすれば違法行為となります。天引きする内容も、従業員の福利厚生に資するものに限られます。

 

親睦を深めることを目的とした社員旅行を計画し、その準備の一環として、積立金を控除する場合などは、問題ないでしょう。その一方で、業務上必要な備品や研修にかかる費用などは、原則として会社が負担するものと考えられているので、注意が必要です。

 

労使協定を結んでおくことは大前提ですが、新入社員や中途入社をする社員に向けて、入社手続きなどの折に、きちんと周知しておくことも重要です。天引きされている費用の内容・性質を、労使とも理解しているよう努めたいものです。

新着エントリー

カテゴリ別エントリー

月別エントリー

  • 社会保険労務士やなばら事務所 03-6272-5318(9:00~18:00)

サービス一覧

代表やなばらのブログ

労務コラム

SRP認証事務所です

SRP認証マーク

当事務所はSRP認証事務所です。個人情報保護の基準を満たしていることを全国社会保険労務士会連合会より認証されています。(認証番号:131535)