労務コラム

就業規則について①   2012.11.28

就業規則とはどのような会社が作成しなければならないのでしょうか。

 

(就業規則の作成の基準)

就業規則はすべての事業場で作成を義務づけられているものではありません。常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、所轄労働基準監督署長に届け出なければなりません。就業規則を変更したときも同様です。

つまり、常時10人未満の会社の場合は就業規則の作成及び届出をしなくてもよいとなります。

 

(常時10人未満の場合でも就業規則を作ったほうがいい場合)

10人未満であっても、例えば「労働時間が総じて長く、残業に対するトラブルリスクがある場合」や「有給休暇や休職について労働者から質問されるなど、ルールの明確化が必要な場合」「企業秘密情報の管理ルールを定める必要がある場合」などの場合、事前に会社のルール明確化のために就業規則を作ったほうがよいでしょう。

 

(トラブル対策としての就業規則)

具体的には、以下のような就業規則作成のリスク対策ポイントがあります。

1、労働時間が長い、休日が少ない等、残業代トラブル

→定額残業制度を新たに導入したり、変形労働時間制の導入したりすることで、残業代を巡ってトラブルになったときに予想外の金銭リスクがないように調整するなどして対策します。

 

2、休暇、休職など

→年次有給休暇の取得に際して、会社に事前○日前までに書面で申請するなどのルールを明確にしたり、休職や休職からの復帰の基準を明確にすることで対策します。

 

3、企業秘密情報や競業避止など

→会社の重要な情報(顧客の個人情報や技術ノウハウなど)を管理する基準を明確にし、その規定に違反した者を懲戒するなど定め情報漏洩等トラブルを抑止します。

 

就業規則の記載事項は、記載が義務づけられている事項(絶対的必要記載事項)と、その定めをする場合には記載義務のある事項(相対的必要記載事項)があります。

 

以上、就業規則について①でした。

 

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