労務コラム

退職社員への賞与について   2013.01.30

辞めた従業員にも在社期間の賞与は出すべきでしょうか。

 

回答:

賞与支払いに関するルールを整備していれば、賞与支給日に在籍していない社員には支給しなくてもよいでしょう。ただし、トラブル予防のため自社におけるボーナスの性格をきちんと定義付けましょう。

 

 

(支給日在籍要件)

賞与の支給条件として、ボーナスはあくまでも支給日に在籍していなければ支払われない。という「支給日在籍要件が明確」に定められていれば、支給対象期間すべてにわたって在籍していてもボーナス支給日に在籍していなければ支給対象者とはならず、賃金の不払いにはなりません。

 

 

(賞与の性格)

法律上は賞与についての明確な定義はありませんが、一般には以下の3つの性格のいずれかを有すると言われています。

 

①    賃金の後払い的性格のもの

②    功労報酬的性格のもの

③    成果分配的(給与や賞与の支給額を、経営の成果に結び付けて決定する)性格のもの

 

 

賞与が①の「賃金の後払い的性格のもの」である場合には、前述のような支給日在籍要件を設けるのは論理的に難しいでしょう。

しかし、②の「功労報酬的性格のもの」であるならば、支給日在籍要件を設けることができます。功労報償とは、将来に向けたインセンティブ、つまり、「今後もしっかり働いてください」という動機づけであると解釈できるからです。

 

いずれにせよ、就業規則・賃金規程その他の規則で、賞与の支払い要件をきちんと定義しておく必要があります。

 

以上、退職社員への賞与についてでした。

 

 

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