労務コラム

学生が内定を辞退した場合、内定者への損害賠償請求はできるか   2015.07.10

内定辞退は会社にとって困ったことですが、内定辞退について学生に損害賠償請求ができるかというと、厳しいのが実情です。

 

内定は「解約権を留保した始期付雇用契約」という法的な性格があります。

入社日(例えば4月1日)から働くという『始期』と、従業員として不適格であると入社日前に分かった場合には、会社が内定を取り消すことができる『解約権』が含まれています。つまり内定は、期限や会社の解約権などの条件が付いた雇用契約であると言われています。

 

したがって内定辞退についても普通の雇用契約の対象と同じように考えることができます。

 

雇用契約終了は2週間前に言えばよい

契約期間が決まっていない労働契約では、2週間前に会社を辞めることを伝えれば、会社を辞めることができます。

従って、内定した場合でも、学生は入社の2週間に入社を辞めることを会社に伝えれば入社を取りやめることができます。この場合、学生の会社に対する損害賠償は発生しないでしょう。逆に2週間前という期限を守らず、突然内定を辞退して、会社に損害を与えてしまった場合、会社に対して損害賠償を支払わなければならない可能性があります。ただ、まだ働いていない入社前の学生が内定を辞退したからといって、すぐに会社に大きな損害が出る可能性は低いです。なので、学生に対して損害賠償が命じられることは珍しいと考えられます。

 

学生が入社直前に内定を辞退したとしても、会社に損害賠償しなければならない場合は珍しいですが、社会の常識からいって、できるだけ早く会社に辞退の旨を伝えるにこしたことはないでしょう。

新着エントリー

カテゴリ別エントリー

月別エントリー

  • 社会保険労務士やなばら事務所 03-6272-5318(9:00~18:00)

サービス一覧

代表やなばらのブログ

労務コラム

SRP認証事務所です

SRP認証マーク

当事務所はSRP認証事務所です。個人情報保護の基準を満たしていることを全国社会保険労務士会連合会より認証されています。(認証番号:131535)