労務コラム

減らす戦略   2011.05.30

マイケル・ポーター氏によれば、戦略と業務効果は異なるとのことです。

多くのマネジメント層は、業務効果の追求により短期的な業績維持にばかり目を向けているが、それは企業の戦略とは異なる。うまくいっているようでも、生産性の限界点が見えているとのこと。

同氏の定義によると、

「業務効果」・・・類似の活動を競合他社より優れて実行すること

であると言います。

美容室に当てはめるならば、施術や集客、顧客管理の効率を上げることが当てはまります。施術の無駄をなくし、顧客管理システムを単純化することなど、日々の業務の中で取り組むとよいことはそれこそたくさんあります。それらをより優れて行うことで、競合に対し優位に立つことができますね。

もちろん高収益を実現するためには、業務効果を継続的に向上させることが欠かせないが、それは生き残っていくためには十分ではない。ポーター氏はこう言っています。

これはイメージ湧きますね。

 

ここで「戦略」が重要である。とあります。

戦略とは、「競合と異なる活動をする」ことである。

「○○の点がウチは違います。」

これを言えないといけない、これを言えないならば戦略はない、ということでしょうか。

以下は、有名な「戦略の3つの基本戦略」のマトリクスです。

 

この4つのうちのいずれかを選んだ活動が「戦略」であるといいます。

(先に「3つ」と言ったのは、下段の「集中」をひとくくりにしているからです)

多くの美容サロンにとって、実際には「低コストの追求」か「差別化集中」しか選びにくいのではないでしょうか。

イケアは低コストでデザイン性を重視する若年ファミリー層に集中するために、ショールームでの接客対応をする人員を減らし、倉庫から自分で選んでもらい、運んでもらうセルフサービスで運搬等コストを減らしました。結果、きめ細やかなサービスと高級感を望む富裕層をあきらめました。

あなたの美容室にとって、集中することにより捨てなければならないものは何でしょうか?

少なくとも「差別化集中」を選ぶ美容室にとって、従業員満足は捨ててはならないものだということは想像に難くないですね。

戦略と業務効果を分けて考えること、新たな視点を与えてくれます。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。


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