労務コラム

労働時間について   2012.07.25

労働時間について、際限なく働かせることはできず、次のような法律上の制限が
あります。
【原則】
①使用者は、労働者に休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させては
ならない。
②使用者は、1週間の各日については、労働者に休憩時間を除き1日について8時間
を超えて労働させてはならない。
つまり、労働時間は、1週間40時間かつ1日8時間以内でなければならないという
ことです。
これを法定労働時間といいます。この法定労働時間には次のような例外があります。

【例外】
常時10人未満の労働者を試用する次の事業については、1週間44時間が上限となる
①商業
卸売業、小売業、理美容業、倉庫業、駐車場業、不動産管理業、出版業(印刷部
門を除く。)
その他の商業
②映画・演劇業
映画の映写、演劇、その他興業の事業(映画製作・ビデオ製作の事業を除く。)
③保健衛生業
病院、診療所、保育園、老人ホーム等の社会福祉施設、浴場業(個室付き浴場業
を除く。)、その他の保健衛生業
④接客娯楽業
旅館、飲食店、ゴルフ場、公園・遊園地、その他の接客娯楽業

労働基準法は昭和63年に大改正が行われ、法定労働時間が「週48時間」から「週
40時間」になりました。
1日の法定労働時間が8時間であることから、法律が想定しているのが「週休1日
制」から「週休2日制」へ変わったとも言えます。週44時間の例外は、いわば法
改正の名残でしょう。

週40時間か、週44時間かによって、会社側からすれば残業代支払いや休日に影響
がありますので、10人未満に抑えることもあります。

以上労働時間についての原則でした。

休憩時間について   2012.07.25

休憩時間についての法律上の決まりは以下の通りです。

【原則】
使用者は、労働時間が6時間を超える場合においてはすくなくとも45分、8時間を
超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなけ
ればならない。

休憩時間数についてのポイント:
①労働時間が6時間ちょうどまでは休憩不要
②6時間を超えて、8時間未満までは休憩が少なくとも45分必要
③労働時間が8時間以上の場合は休憩が少なくとも1時間必要

続いて労働すると心身疲労をしてしまうため、法律上で休憩義務を付与しています。
また、休憩については次の3つの決まりがあります。

①休憩は労働時間の途中に与えなければならない
②休憩は一斉に与えなければならない
③休憩時間は自由に利用させなければならない

この3つの決まりについては例外があります。
②一斉付与の例外:
(業種)運輸・通信・商業・保健衛生・金融広告・接客娯楽・映画演劇・官公署
 は一斉に休憩を取らなくてもよいとされています。
(協定)労使協定により一斉に与えない場合の詳細を定めた場合、一斉休憩をし
なくてもよいです。

③自由利用の例外:
警察官や消防署職員など、または児童養護施設、知的障害児施設の職員など、一
部の職種は自由利用の例外とされています。

年少者雇用について   2012.07.18

労働基準法では、労働契約を結ぶことができる年齢に制限が設けられています。

【中学校卒業までは原則雇用禁止】
原則として、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、
つまり中学校を卒業するまでは雇用してはならないことになっています。

ただし、次のような例外があります。
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<満13歳以上の児童を雇ってもいいケース>
以下のすべてを満たした場合。

非工業的な業種であること
児童の健康及び福祉に有害ではなく、労働が軽微なものであること
労働基準監督署長の許可を受けていること
修学時間外に使用すること
例えば、中学生を新聞配達員として雇うことは、
労働基準監督署長の許可を得た上であれば可能ということです。
-------------------------------------------------------------------------------
<満13歳未満でも雇っていいケース>

映画の製作、演劇の事業であること
児童の健康及び福祉に有害でなく、労働が軽微なものであること
所轄労働基準監督署長の許可を受けていること
修学時間外に使用すること
例えば、ドラマに出る子役やアイドルグループなどはこれに該当します。
-------------------------------------------------------------------------------

【高校卒業までは証明書が必要】
高校生以下を雇用する時は、以下のように規定されています。

満18歳未満の人には、年齢確認のため、戸籍証明書を提出してもらうこと
満15歳の年度末までの児童には、戸籍証明書に加え、
修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書および
親権者か後見人の同意書を提出してもらうこと
以上、年少者雇用についてでした。

産前産後について   2012.07.18

産前産後について


労働基準法では、母体保護の観点から、妊娠中の女性の労働について制限が設けられています。

<産前産後の就業制限>

会社は、出産予定日の6週間前の女性が休みを申請した場合、就業させてはならない。
(双子以上の場合は14週間)
会社は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。
ただし、産後6週間を経過した女性が申請した場合、
医師が問題ないと認めた業務に就かせることができる。
[出産前] 妊婦さんが休みを申請しなければ、産気づく直前まで就業させることができる。
[産後6週間] 産婦さんが休みの申請をしなくても、休ませなければならない。
[6~8週間] 本人が復帰を希望し、医者が大丈夫と認めた場合のみ、就業させることができる。

なお、この産前産後の日数カウントには、以下のようなルールがあります。

産前6週間のカウントは、出産予定日を基準とする。
産後8週間のカウントは、現実の出産日を基準とする。
出産日当日は産前6週間に含まれる。
出産予定日よりも遅れて出産した場合、
予定日から出産当日までの期間は産前の休業に含まれる。
例)出産予定日が7月1日、現実の出産日が7月3日だった場合
産前休業:5月21日~7月3日(6週間)
産後休業:7月4日~8月28日(8週間)

なお、育児休業期間は、「産後休業が終わった翌日~子供が1歳になるまで」を指します。
以上、妊産婦雇用についてでした。--

賃金支払いの5原則について   2012.06.18

労働基準法では賃金支払いについて5つのルールが定められています。


1、通貨払い賃金は(当たり前のことですが)通貨で支払わなければなりません。例えば、自社の商品や商品券などで支払うことは「労働の対価」としての適切性が確保されない可能性があるために認められません。


2、直接払い賃金は労働者に直接支払わなければなりません。これは必ずしも現金支給というわけではなく、銀行振込であっても大丈夫です(ただし、銀行振込の場合事前に労働者の同意が必要ですので、できれば書面で給与振込口座を申請してもらいましょう)。


3、全額払い賃金は、その計算期間に対応する全額を支払う必要があります。例えば、残業代の支払いに不足がある場合はこの全額払いの原則に違反していことになります。ただし、社会保険料や所得税などの法定控除や、労使で協定されたもの(家賃控除や互助会費など)を差し引いても全額払いの原則に違反しません。


4、毎月1回以上支払い賃金は毎月1回以上支払わなければなりません。労働者にとって賃金は生活の基本になるのでこのように決められています。これは年俸制であっても同様で、年俸額を12で割った額を(あるいは賞与も含め14~17などで割った額を)毎月支払う必要があります。

5、一定期支払い賃金は「毎月◯日」というように定期に支払わなければなりません。これも「毎月1回以上支払い」と同様に、労働者の生活の基本になる賃金は定期払いが求められています。
ただし、給与支給日が休日にあたる場合等は、その支給日を繰り上げ、または繰り下げてもよいとされます。


以上賃金支払いの5原則についてでした。

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